先日、pneuma第5回定期演奏会「not-i 天と地をつなぐうた」が、無事終演しました。
ご来場くださった皆様、また支えてくださったスタッフの皆様、ありがとうございました。
今回は、コンサートタイトルである「not-i (のち:命)」を宿す
北欧のヨイクと奄美の島唄をテーマとしたプログラムでした。
私自身は東京・横浜で育ち、フィンランドに留学するまで
土地に密着したうたや、音楽を意識する体験はありませんでした。
フィンランドで合唱指揮を学ぶ中で、日本人の自分が西洋音楽をやる意味を考え、
また、周囲の人たちから「日本にはどんな音楽があるの?」
「日本人のあなたが書きたいテーマで曲を書いてほしい」などの声を聞いて、
初めて日本の音楽とは?という関心を持ち始めました。
それまでは、西洋クラシック音楽を理解し、解釈し、
自分なりの表現を見つけることに集中していたので、
フィンランドでのアイデンティティの模索が、
今の創作活動に大きなヒントを与えてくれたと思います。
それから、フィンランドと日本の共通点という切り口で調査を始め、
北欧のサーミ族とアイヌ民族が近しい文化を持つことから着想し、
生まれたのが「UPOPO」です。
2014年フィンランドのドミナンテ合唱団委嘱・初演で、
今ではNoema Noesisの定番曲となっています。
それぞれの民族が持つ価値観や、環境、文化、美意識などが
凝縮された「民謡」に新鮮な驚きと、心踊るようなワクワク感は
今でも継続して持ち続けています。
それから、ふとしたきっかけで南島の祭事を知ることになり、
現地に取材に行ってみると、
サーミ族やアイヌ民族とも文化的・民族的な関係性を感じました。
そのような経緯で、「not-i 天と地をつなぐうた」の
コンセプトのアイディアが浮かび、具体的なプログラムを構成、
演出を試行錯誤しながらpneumaのみんなとじっくりと向き合って、
コンサートを迎えることができました。
アンケートもたくさんの方が回答してくださり、
うれしく読ませていただきました。
特に何も説明してないのに、私のイメージ通りに感じ取ってくださった方がいたり、
そういう見方もあるのかあ!という発見をいただいたり
これまで以上にお客様と共同創造できたコンサートだったと実感しました。
そして、これは私のひそやかな思いですが、
コンサートの裏テーマは「子守唄」でした。
母が子を思うように、神様も私たち人間を愛してくださっています。
いつも近くで見守り、地上での歩みを導き、助けてくださいます。
困難や試練は多くありますが、お一人お一人が平安で毎日過ごせますように。
「天と地のつなぐうた」を通して、そのような願いが届いていたら、うれしく思います。
これからもpneumaとして空間芸術に挑戦していきますので、
応援よろしくお願いします!